2011年 06月 27日
オーレンの市場からはじまった
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国境近くの寒い町に不安げな君主の姿があった。
「そこのプリさん、どうしたんだい?」
「実は50試練をやりたいのですが……」
君主50試練といえば曰わく付きのクエストではないか。
大空洞から巨人の墓、そして魔族神殿まで突っ切った上、ひとりで敵軍内部まで潜入するという危険な任務をこなすのだとか。
「でも、私はとても非力なのです」
指令では敵を撃破したうえ破壊工作をするのだとか。
非力なうえ、ろくな武器を持っていない彼女では難しいかもしれないのだという。
「ならば私が火属性の魔法をかけてあげよう」
「ありがとう。でも神殿に着くまでに消えてしまいます」
たしかにそうだ。結局、私にできることは彼女の無事を祈ることぐらいだろう。
そう思って別れた後、オーレンの雪山を見上げてふと思い出した。
「そう言えばあの頂上に……」
ここだ。
「今はお前たちを利用させてもらおう」
動きづらいが、同じ魔族の格好をすれば神殿のモンスターたちも騙されてくれるかもしれない。
「思った以上に厳しいな……」
だがあの君主も同じ格好でここを突破するはず。頑張らねば。
「ここが魔族の神殿か……」
コラプトたちはこの変身を見て混乱したようだ。多くの連中は私を見逃してくれた。
ごく数体だけは襲ってきたが逃げ切ることはできた。
「あなたはさっきの……」
彼女も無事に突破してきたようだ。
「そろそろ変身が切れる。今のうちに魔法を」
ここでかければ最後まで効果が持つはずだ。
「ありがとう」
「ご武運を」
彼女が神殿内部に潜入するのを見届け、私の短い冒険は終わった。
「そこのプリさん、どうしたんだい?」
「実は50試練をやりたいのですが……」
君主50試練といえば曰わく付きのクエストではないか。
大空洞から巨人の墓、そして魔族神殿まで突っ切った上、ひとりで敵軍内部まで潜入するという危険な任務をこなすのだとか。
「でも、私はとても非力なのです」
指令では敵を撃破したうえ破壊工作をするのだとか。
非力なうえ、ろくな武器を持っていない彼女では難しいかもしれないのだという。
「ならば私が火属性の魔法をかけてあげよう」
「ありがとう。でも神殿に着くまでに消えてしまいます」
たしかにそうだ。結局、私にできることは彼女の無事を祈ることぐらいだろう。
そう思って別れた後、オーレンの雪山を見上げてふと思い出した。
「そう言えばあの頂上に……」
ここだ。
「今はお前たちを利用させてもらおう」
動きづらいが、同じ魔族の格好をすれば神殿のモンスターたちも騙されてくれるかもしれない。
「思った以上に厳しいな……」
だがあの君主も同じ格好でここを突破するはず。頑張らねば。
「ここが魔族の神殿か……」
コラプトたちはこの変身を見て混乱したようだ。多くの連中は私を見逃してくれた。
ごく数体だけは襲ってきたが逃げ切ることはできた。
「あなたはさっきの……」
彼女も無事に突破してきたようだ。
「そろそろ変身が切れる。今のうちに魔法を」
ここでかければ最後まで効果が持つはずだ。
「ありがとう」
「ご武運を」
彼女が神殿内部に潜入するのを見届け、私の短い冒険は終わった。
by tuls
| 2011-06-27 23:29
| 【リネ】その他